今年(2009年)の6月に訪ねた、菅ヶ谷横穴墓群の写真です。静岡県袋井市国本にあります。
国本はずいぶん広いですね。ここはそのなかでも東寄りです。静岡カントリーの袋井コースというゴルフ場のなかにあります。
国本はずいぶん広いですね。ここはそのなかでも東寄りです。静岡カントリーの袋井コースというゴルフ場のなかにあります。
「所縁の史跡」のほうでもちょっといいましたが、和田岡古墳群の各和金塚古墳から近いです。式内郡辺神社の論社・富士浅間宮にも。
95基以上が確認され、消滅したものを含めれば100基を越す数といわれる、静岡県下屈指の横穴墓群。採集された土器からは、7世紀前半ころに盛んに築かれたと見られているようです。
ただ、完存している横穴は少ないようです。それから、ゴルフ場を作るときの造成や、自然に崖上が崩れたことで埋まっているのも多いとか。
ただ、完存している横穴は少ないようです。それから、ゴルフ場を作るときの造成や、自然に崖上が崩れたことで埋まっているのも多いとか。
そんなわけで、データ上は大規模だといわれていることに期待しすぎると、現地でショボく感じることもあるかもしれません。
玄室の形は三角が多くて面白かったです。おおざっぱに描くと、こんな形なのです。
この後、宇刈横穴墓群にも行ったのですけど、やはり三角形が並んでいました。といっても、宇刈のほうは菅ヶ谷以上に埋まってしまっているので、全体のうち、どれくらいの割合を占めているのかよくわかりませんでしたが。
おなじ静岡県でも、伊豆の柏谷百穴や北江間横穴墓群は、カマボコ形や四角形の断面だったと思います。
→ 北江間横穴墓群
ただ、柏谷百穴では見なかった棺座のついているものはいくつかありました。お棺を乗せる台です。
下写真のものは、奥壁と平行に作りつけられています。
吉見百穴だと、見学可能な棺座のあるものはすべて側壁と平行についていたと思います。
地域や造営集団によって違いが出るのでしょうか。興味深いですね。
→ 吉見百穴
三角だけでなく、五角形のものもありました。家形を意識しているのでしょうか?
初出:「菅ヶ谷横穴」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51759803.html 2009年12月11日