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くれふしの里古墳公園を訪ねたのは、2009年6月のこと。はに丸タワーすごいですね。この存在感。

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高さ17.3メートルあるそうです。
「機動戦士ガンダム」に登場するジオンの主力モビルスーツ、MS-06ザクは17.5メートルという設定なので、「ザクってこれくらいの大きさなんだなあ」と想像するにもうってつけですね。

内部には、「希望のはにわ」というものが仕込んでありました。解説に
「はにわの口にそっと手を入れてごらん。古代から、宇宙からのメッセージがあなたに届くよ」
なんて書かれていました。うさんくさいな。
作ったのは当時の内原町(水戸市と合併して消滅)ですが、よくやってくれたと思っちゃいます。

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あれですね、「ローマの休日」にも出てきた「真実の口」のパク…リスペクトアレンジですか。
私が行ったときには電源が落とされていたようで、口の中にに手をつっこんでも何も起こりませんでした。

ほかにも、水鳥型埴輪のような水飲み場があったりで楽しいです。

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東屋のかたちが前方後円型です。
下から見たのではわからないので、はに丸タワーありきの築造ですね。

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公園の名称の「くれふし」は、『常陸国風土記』那賀郡茨城里条にある、くれふし山から取ったそうです。
あれは三輪山型神婚譚に分類されるでしょうか。

ある兄妹の妹のもとに、夜な夜な通ってくる男がいて、妊娠して産んだ子は蛇でした。器に蛇を入れておくと、その器は食べ物でいっぱいになる奇跡が常に起こるので、これは神の子だとうということになって、兄妹(蛇の叔父と母)はとても養育しきれるものではない、と判断し、父なる神のもとへ行くように蛇に諭します。
しかし、一人の従者もつけずに追い出されることを嘆いた蛇は、別れの時についにイライラを爆発させ、雷撃で叔父を殺してしまいます。天に去ろうとする蛇に母は器を投げつけると、それに当って天へは昇れなくなり、この山にずっと留まることになりました。子孫が社を建てて祀っています。

という話です。すごく要約しててすみません。
「くれふし山」の「くれ」は暮れと同じ意味なんでしょうね。日が暮れてから神はやってきて夫婦の営みwをしたり、蛇の姿の子も明るいうちはしゃべることができないのに、日が暮れてからは母と仲良く語らったりしていたそうですから。
地名起源説話には本来の意味とは違った語呂合わせもよくあるようなので、ここも別の意味だった可能性はあるのでしょうけど。

現代人的な見方をすると、蛇の姿の子にも、叔父さんにも同情したくなりますよね…
神として崇めてもらいたいなんて願いは持っておらず、ただ家族でいたい気持ちと、神の子と判明した以上は祀らなくてはならないという気持ち。
「爰に子恨みを含みて事吐はず」みたいな表現を見ると、風土記の編纂時には、もうそういった文学的な理解の萌芽があったんじゃないかしらん、と思ってしまいます。
古墳公園のある一帯は、この伝説の舞台の地です。

そんな感じに、楽しい公園でした。
で、古墳公園というからには古墳ももちろんあります。牛伏古墳群が公園内に保存されています。一部は公園の外になっちゃいますが。

以下は古墳の写真です。
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