今年(2009年)のゴールデンウィークの旅行で撮ってきた写真です。
伊夫岐神社は、滋賀県米原市伊吹に鎮座します。
『文徳実録』嘉祥三年十月八日条に「近江国伊富岐神」として従五位下の神階に叙せられたことが見え、その後も『三代実録』貞観元年正月二十七日に従五位上、元慶元年十二月二十五日には従三位に昇ったことが見えます。
貞観九年四月二日には、神祇大祐の大中臣常道が遣わされ、近江国伊福伎神社に弓箭鈴鏡を奉納したと『三代実録』にはあります。
美濃国不破郡の式内社、伊富岐神社と並んで、伊吹山の神を祀る有力な神社だったようです。
貞観九年四月二日には、神祇大祐の大中臣常道が遣わされ、近江国伊福伎神社に弓箭鈴鏡を奉納したと『三代実録』にはあります。
美濃国不破郡の式内社、伊富岐神社と並んで、伊吹山の神を祀る有力な神社だったようです。
伊吹山は新幹線の車窓からも見えるそうでおなじみの山らしいですが、北海道育ちの私が間近に見上げるのははじめてでした。
なんだかすごいですね。すごいというか酷い。
上写真、右側の山頂近くまで、不自然に平らになってますでしょう? 緑になっているのは、削られてから時間が経っているからのようです。
簡単に図にしてみますと、つまり、こういう自然の山がまずあったところ…
簡単に図にしてみますと、つまり、こういう自然の山がまずあったところ…

人間の手で削りとられて、山の元の形がわからなくなってしまうほど、姿を変えてしまったということです。

決して小さな山ではないのに、こんなにゴッソリと削りとられてしまうことなんてあるんですね。住友大阪セメントという会社が持っている伊吹鉱山というのだそうです。ふもとのほうまで、大きなパイプが引かれて、採掘した石灰岩をじゃんじゃん送れるようになっていました。
山自体がそのうちなくなってしまうんじゃないかと心配になってしまうくらいですが大丈夫なのかしら。
伊吹山の神といえば、景行紀によれば、大蛇に姿を変え、ヤマトタケルに祟りをなし、ついには死に追いやったとされる神です。古事記にも、白い猪の姿でヤマトタケルの前に現われ、同様に祟りをなしたとされます。
恐ろしい神威をもった神です。この神に対して、強い畏敬の念を古代の人たちが持っていたことをうかがわせます。
なお、セメント会社は神社に多額の寄付もしているような感じでした。
初出:「伊夫岐神社と伊吹山」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51707522.html 2009年08月19日