今年(2009年)のゴールデンウィークの写真からです。
福井県永平寺町の松岡公園は、町役場の向かいの道を南に入ったところにあります。春日山古墳がここにあるというのを、山川出版社の『歴史散歩』を読んで知ったので、訪ねてみることにしました。
ちなみに、越前の大首長の墳墓群として名高い、松岡古墳群がある山々も、ここが登山口のひとつだそうです。こんな案内図があります。パンフレットは中央公民館に行くともらえるんですね。

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春日山古墳

6世紀末ころの古墳です。松岡公園が整備されるときに発見されたものの、墳丘の上部は削平され、石室の天井石等も抜かれた後だったそうです。
天井石はありませんが、コンクリートとガラスの保護屋根に覆われて、保存されています。

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両袖ですね。
床に、平らな川原石が敷き詰められているのがきれいです。

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石棺の縄掛突起は身と蓋の両方についてます。横口が設けられていることも特長。

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去年、出雲へ行ったときに、横口式石棺をいくつか見ました。やはり山陰での例は多いそうです。


一方、福井県下では、かなり珍しいようです。
出雲との交流があった有力者が葬られたのかも、なんて想像がふくらみます。

石感の内部を見ると、ノミで削った跡も残っていますね。

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框石で玄室と羨道がしっかり区切られていて、段差になってます。両側の門柱石もなかなか。

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泰遠寺古墳石棺

春日山古墳のすぐ前にある泰遠寺古墳出土石棺。縄掛突起もついた、立派な刳抜式舟形石棺です。

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足羽山産の笏谷石が使われているらしいです。
古墳自体は消滅してしまったそうです。えちぜん鉄道の観音町駅南側あたりにあったとか。
出土品などから、5世紀の第三四半期ころの築造と見られています。

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面白いのが、内側の中央に掘ってある溝と穴です。石棺の内部に、水がたまるのを防ぐ役割があるそうです。
これって追葬を前提にしたものと見られるそうですね。葬られた人は水が溜まろうが文句は言いませんから、生きている人間が棺を開いて中を見ることが、広く行われていないと、こういう仕組みは出来ないはず。
5世紀代の首長墳級の石棺で、既に追葬が普通に行われていたということですか。

人ひとりが入れば、いっぱいになってしまう大きさなので、先に葬られた人がすっかり骨になって朽ちたくらいのタイミングじゃないと、次の人は入れません。内のりの長さも2m程度でしたし。

なんでそんな具体的な大きさがわかる? 巻き尺でも持ち歩いているのかって?
いえ、それは…

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実際に、石棺に入って寝てみたからじゃ。グフフ。

身長約180cmの私が寝そべって、握りこぶし一個が余裕で入るくらいの隙間ができましたから、2m程度というのは間違いないです。
まぁ幅もだいたい写真のとおりで。
石がひんやりしてて、意外と快適に寝れます。
(※常識のある人は真似しないでください)

隣りには蓋もあります。

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初出:「石棺の中に入ってみよう!」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51752658.html 2009年11月23日