2009年3月15日に群馬へ行ったときの写真です。
南下古墳群は群馬県吉岡町の南下(みなみしも)にある古墳群です。五基が見学可能な石室開口古墳になります。
西側に榛名山を望める位置にあります。

南下A号墳

養豚舎と細い道を隔てただけの場所にあります。ちょっと臭ってきますね。
道とは反対側(南側)に石室が開口しています。

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玄室内はかなり広いです。
「截石切組積」と呼ばれる、加工した石材を巧みに組み合わせて積んだ石室になっていて、その美しさに見とれてしまいました。

ただの四角い石材だけではなく、L字型に加工されたりした石が、ピッチリと積まれているのがこの写真でわかるでしょうか。

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南下B号墳

A号墳からちょっと東に行ったところにあります。周りは小さな林や現代人の墓地もありました。
羨道はしゃがんだ状態でないと進めないのですが、玄室は高さ3mもあるそうで、広い印象です。
これ↓は右側の玄門の上部です。冠石を受けるために、切り込み加工がされています。

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側壁が腰くらいの高さまでは垂直に積まれてるんですが、その上は天井に近づくにつれ内側に転ぶ感じに狭くなっていってます。

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南下C号墳

小さな丘の上に築かれています。パッと見、丘全体が古墳に見えてしまいますね。

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ここはA号墳やB号墳と違って無袖の石室です。羨道や玄室の区切りがなく、ずーっと同じ幅で奥壁に突き当たります。

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南下D号墳

C号墳から少し東に行ったところにあります。道路沿いにぽっかりと口を開けています。
開口部の手前に大きめの石がありますが、これたぶん羨道の天井石だったのではないでしょうか。閉塞石とかではないと思います。
結構埋まっていて、玄門のあたりが狭いです。が、腹ばいになれば入れないことはありません。

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天井にはカマドウマが…ウッ

南下E号墳

A号墳同様、截石切組積の石室です。

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次の画像、奥壁の写真なのですが、赤い線が写っているのがわかるでしょうか。

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石材を加工する際に引いた、下書きの線がそのまま残っているんですね。すごいです、7世紀後半に描かれたものがそのままだなんて。
しかもこんな風にずっと開口した状態で、誰でも直接見たり触ったりできるところで…
にしても、線を引いたとおりにノミで削っていって、それぞれの石がずれることなくピッタリと積まれているんですから、やはりすごい技術ですね。

見ごたえがあって、見学しがいのある古墳群でした。


初出:「南下古墳群」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51692088.html  2009年07月14日