大田別ノート

物部厨どもが夢、それとも幻。

七輿山古墳


群馬県藤岡市上落合の七輿山古墳です。訪ねたのは2008年1月3日のことです。

ひとつ前のエントリで紹介した伊勢塚古墳から南に300mもないくらいの近さにあります。七輿山古墳の北にある駐車場に車を停めて、伊勢塚まで歩くのが見学コースとして良いと思います。
これは南東から見た写真です。右が後円部で左が前方部です。

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これは北東から見た様子。
全長146mの前方後円墳。かなり大きいです。ここはその大きさが実感できる眺めなのが素晴らしいです。
冬は木の葉も落ちて、全体を見ることができます。

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前方部の北西側のあたりです。三段に築成された古墳で、段差がいまもはっきり見て取れます(カメラを構える私の影も)。

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前方部の上から、後円部側を見たところです。
築造時期は、6世紀の前半ころと出土した物から見られています。規模からすると、保渡田三古墳の後の上毛野地域では、最も有力な首長が葬られたような感じですね。

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こちらは後円部の上から前方部側を見た様子。

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伊勢塚古墳


行ったのは2008年1月3日です。このあたりは、前々から訪ねてみたいと思っていたので念願がかないました。
伊勢塚古墳は、群馬県藤岡市上落合字岡の住宅地の中にあります。といっても、それほど民家がびっちり立ち並んでいるわけではなく、田んぼや畑もまだまだ多い地域ですね。

以前、上野の国立博物館で、群馬県立歴史博物館が出してる『古墳めぐりハンドブック』という群馬県下のおもだった古墳を紹介しているガイドブックを買っておいたのです。これが実際に探訪したい人向けのとてもいい本でして。
その表紙が伊勢塚古墳でした。模様積みな石積みが本当に美しくて、この本の中でいわれているとおり、「古墳の石室に入って、これ程感激することは滅多にない」というのを実感して参りました。
本の写真のようには奇麗に撮ることはできませんが、そのあたりの感動が少しでも伝わるといいのですが…

外観。現地の案内板によると、従来は円墳と考えられていましたが、不正八角形墳らしいとのこと。
直径は27.2メートルあるそうです。

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羨道は本来もっと長かったようですが、封土がかなり流失してしまった模様。

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まぐさ石というのですか、玄室寄りの羨道上部に架設されています。

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そして側壁。細長い石を小積みにして、その間の随所に大きめの石を絶妙のバランスで配するという、このセンスが素晴らしいです。

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フラッシュを焚かないで撮影するとこんな感じです。開口部からのわずかな光の中に、石たちが妖しく輝きます。

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胴張りプランの石室なのです。なめらかな曲線。

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天井石には巨石が使われています。

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奥壁。三つの大きな岩の上に、ひとかかえくらいある石が乗ってる感じです。
三回に分けて撮ったものを合成してるので不自然なところがあるのはおゆるしください。

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文句なしにオススメな古墳です。石室でうっとりしたい方向けです。
築造時期は、6世紀の終わりころと見られています。



初出:「伊勢塚古墳」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51300918.html  2008年01月20日

塩古墳群


埼玉県熊谷市塩にある、塩古墳群です。
行ってきたのは2007年12月22日。

古墳群は、墳丘上の木や草が刈り取られて、かなり奇麗に整備されていました。案内板も設置されていて、それによると、古墳時代前期の土器等の遺物が出土しているとのこと。
北方4km弱の距離にある鹿島古墳群は後期に造営されたものでしたが、やっぱり雰囲気が違うもんなんですね。前期古墳のほうが、一基一基それぞれが自己主張してるような気がします。

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案内板のすぐ後ろにあるのが1号墳です。
全長約35mの前方後方墳とのこと。
写真の右側が前方部になります。

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同じく1号墳です。
後方部の上から前方部を見おろした感じで。
奥のほうに見えてるのが12号墳(そして左側に私のカローラ)。

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こちらは2号墳です。やはり前方後方墳。
全長は約30mだそうです。手前が前方部。低くて小さな前方部…まさに前期古墳の特徴です。
関東の古墳時代前期の首長墓は、前方後方墳が多いですよね。ここもその例に漏れずといった感じです。
以前、千葉で全長10mちょっとのちっこい前方後円墳(後期の築造)を見たことがあるのですが、そういう「こだわり」が面白いです。

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3号墳。
割と大きめの円墳です。直径20mくらいはあったと思います。

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そして3号墳の上から南側を見るとこんな感じです。1号墳、2号墳、5号墳、7号墳、8合墳が並んでいます。
古墳を見ることがない北海道育ちの人間にとっては、こんなにギュウギュウにひしめいてるのを見るのは、感激と同時に、どこか不思議な世界に迷い込んでしまったかのような…とにかく楽しいです。

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14号墳。円墳っぽいですが、手前側が少し削平されてるようでした(そして私のカローラ)。

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古墳群内には、前方後方墳2基、方墳26基、円墳8基が残されているそうです。下草が刈られて整備されているのは、そのうち20基ほどだったと思います。


初出:「塩古墳群」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51293009.html 2008年01月13日

秋山庚申塚古墳


埼玉県本庄市(旧児玉町)の庚申塚古墳を見てきたときのメモ。
秋山古墳群を構成する古墳のひとつだそうです。

この扉(柵)に書いてある「まむし注意!」が恐いです。まあそういうのが恐いから、この寒い時期に出歩いてたんですが…

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奥壁に巨石が使われていて、他は大小さまざまな感じです。

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天井は、大きめの平たい(といってもかなり厚いのですが)石が折り重なるように積んであります。
崩れていたのを復元した際、綿密な考証がされず適当に積んだせいなんて話も?

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奥から開口部側を見て。
上部に穴が開いてるおかげで、中が明るいのです。
両袖式です。

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玄門石もバッチリ残ってます。ステキ。

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側壁は地面に近いほうが広く、天井に近づくにつれ狭くなって、石室は台形状の空間になってます。奥の巨石に威圧感みたいものが若干ありますが、全体的には広々としてる印象でした。
ところで、天井近くの側壁に、他より飛び出してる石があるんですけど…これも復元時の失敗なのでしょうか。

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動画。


すぐ近くに、武蔵国那珂郡唯一の延喜式内社、ミカ神社(漢字変換できません…)がありました。国道沿いのほうに。
気づいてすぐに車を停められるようなスペースがなかったもので、そのまま通り過ぎてしまったんですが、つい気になってしまいますね。古墳を築いた人たちとの関係。


初出:「庚申塚古墳」『天の神庫も樹梯のままに。』http://blog.livedoor.jp/kusitama/archives/51280794.html  2008年01月03日

稲荷塚古墳


埼玉県嵐山(らんざん)町へ稲荷塚古墳を見に行きました。
胴張りのある石室の実物を見るのははじめてです。見事に丸いですね。天井に向かってドーム状になってるのが面白いです。

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玄門石・天井石・奥壁に大型の石が使われ、他の部分は平な割石を積み上げて作られています。
巨石のみ、小さな割石のみ、の石室よりも、お洒落な印象です。

開口正面から。

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奥壁。

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玄室の壁。南側の玄門寄り。

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玄室の壁。北側の奥壁寄り(下のほう)
この湾曲具合がたまらんですね。

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玄室の壁。北側の奥壁寄り(上のほう)

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